竹内まりや『シングル・アゲイン』
竹内まりやが『シングル・アゲイン』を作るときに、三木たかしのテレサ・テン作品を徹底研究したというエピソードがあります。
以下、スポニチ Sponichi Annex の記事です。
365日 あの頃ヒット曲ランキング 10月
スポニチアネックス取材班
【1989年10月】シングル・アゲイン/「在宅歌手」竹内まりや お手本はテレサ・テン
[ 2011年10月24日 06:00 ]★89年9月ランキング★
1 黄砂に吹かれて/工藤静香
2 シングル・アゲイン/竹内まりや
3 ドリームラッシュ/宮沢りえ
4 世界でいちばん熱い夏/プリンセス・プリンセス
5 デイ・ドリーム・ビリーバー/THE TIMERS
6 MISTY/氷室京介
7 GLORIA/ZIGGY
8 DREAM POWER/浅香唯
9 ひとりぼっちにしないから/田原俊彦
10 リゾ・ラバ/BAKUFU―SLUMP
注目Little Tokyo/小田和正
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。【シングル・アゲイン/竹内まりや】
自称「在宅歌手」になった竹内まりやが、これまでのテイストをあえて変えて、歌謡曲的なテーマソングに挑んだ。岩崎宏美が歌った「聖母たちのララバイ」などの主題歌で知られる、日本テレビの「火曜サスペンス劇場」の主題歌の依頼に応えるためだった。“教科書”はテレサ・テンの楽曲と作曲家・三木たかしの作品。女の繊細な気持ちと、歌謡曲のメロディーの王道を行く作品群から得たものと、シンガーソングライターである前に、歌手・山下達郎の妻であり、1児の母親である自分と日常的にふれあう人々からヒントを集めて作ったのが「シングル・アゲイン」だった。
発売は8月だったが、6月から「火サス」のエンディングで流したところ、日本テレビには問い合わせが殺到。「歌っているのは誰?」「もう発売しているのか?」などなど、放送終了後から水曜日にかけて、日テレ中の電話が鳴り響いた。
「日本人にはこんなメロディーが受け入れられるんじゃないかと、これまで避けてきた曲調で出してみたところ、世の中に受け入れられた。一つの実験が成功した感じ」。89年当時のインタビューでそう答えたまりや。ミリオンセラー不在で、CDシングルが飛ぶように売れた時期ではなかったにもかかわらず、40万枚近くを売り上げた。
別れた元カレ(夫?)が別の女性のもとへ行ってしまったが、歳月が流れ、また独りになったということを風の便りに聞いて、ふとその面影を思い出す。懐かしくもあるが、変わってゆく街並みのように前の2人には戻れないことを悟る。失くした恋をあなたも後悔しているのなら、やっと本当に忘れられる…という内容の詞は、女性の涙を誘うほど大いに共感された。
「シングル・アゲイン」の前に出した、自身のセルフカバーアルバム「リクエスト」に収録されている、名曲「駅」の世界に近い“歌謡曲”で新境地を開いたまりやは、翌年「告白」で引き続き「火サス」のテーマ曲を歌った。(365日 あの頃ヒットランキングは都合によりしばらくお休みします。再開は年明けを予定しています)
スポニチアネックス取材班
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/yomimono/music/anokoro/10
「火曜サスペンス劇場」~『シングル・アゲイン』(竹内まりや)
火曜サスペンス劇場~『告白』(竹内まりや)
https://youtu.be/OVXWOrH4hzk?si=WE1T7uriYg27EYtl&t=622
関西テレビ・フジテレビ系 “月曜サスペンスシリーズ ―女性作家サスペンス”
3月のテーマ曲 『恋人たちの神話』(テレサ・テン)
<映像> 「晩餐会」1988/03/21