プロフィール (3) 会報『ヤング』 Profile (3)
月刊『ヤング』
渡辺プロ発行の月刊『ヤング』の中で、プロフィールの紹介に関わる記述を含む号を集めてあります。
1975年4月号



《テレサ・テン》
Fan-Interview 80th
日本は小さい頃からの憧れでした!
今月は、初登場のテレサ・テン。台湾にいた時は、ファンクラブの人達とおしゃべりをしたけれど,日本ではこれが初めてだと話していた。日本語もずいぶん上達して、ほとんど意味もわかるという程。
ファン代表の質問にも一生懸命に言葉を探して答え、そのあと必ず,「ワタシの変な日本語わかりますか?」と聞きかえす。そんなテレサも「テレサはキュートでチャーミングですね。」のファンの言葉に「ビューティフルは入らないの?」と冗談もとばすニコニコと笑う彼女にファン・インタビューも和やかに進みました。
テレサ コンニチワ!
川村 いつ日本に帰ってきたんですか?
テレサ 13日です。
金子 足をどうかしたんですか?
テレサ 骨折なの。
八幡 どうして?
テレサ 早く日本に帰りたくて(笑)台北空港の階段で,2階から下まで落ちちゃった。
八幡 痛かったでしょう。泣いたんじゃないですか?
テレサ 痛かったけど、人がいっぱいいたでしょ。恥ずかしいから泣かなかっ
た。子供じゃないもの(笑)
最初ねんざだと思ったの。前も一度ねんざしたことがあったから……。
そしてレントゲン写真を撮ったら骨折だって言われてびっくりした(笑)
八幡 今、ギプスしてるでしょう。それを取ったあとマッサージするんだけど
それがまた痛いんだよ。
テレサ エッ、また痛いの?冗談でしょ
川村 本当に痛いんだよ。
テレサ 私、台湾に帰る(笑)
金子 テレサは泣かなかったんだから大丈夫だよ。それに医者に優しくやってって言えば優しくやってくれますよ、きっと(笑) 久しぶり台湾に帰ってどうでした?
テレサ うん、楽しかった。台湾お正月ね。
川村 台湾のお正月ってどんな事をやるんですか?
テレサ 家族みんなでマージャンやります。それと食事と爆竹。あとは友達と映画を見たり、毎日パーティーだった。
八幡 日本の場合だったらお雑煮を食べたりするでしょ。
テレサ 台湾もオモチよ。向こうのは大きくてケーキみたいね。食べる時にすこしずつ切って、茹でてスープに入れる。お雑煮と似てるね。
オモチすごく太るの。私帰ってもオモチぜんぜん食べてない。でも太っち
ゃった(笑)
川村 テレサはお料理は何が出来ますか
テレサ チャーハン。一番簡単ネ(笑)
金子 おいしい?
テレサ ううん、あんまり(笑)あと、水餃子もすこしお母さんの手伝います。
八幡 何か編み物に凝ってるとか?
テレサ そう。だけど駄目です。
川村 手芸は?
テレサ 小学校の時、エプロン作ったけどあまり上手じゃない。だから自信持ってない。
金子 家族は何人ですか。
テレサ 両親と兄弟5人ね。でもみんな家に住んでない。学校とか仕事があるから。お正月とかみんな集まりますけど普段はお父さんだけ。
川村 テレサが日本にきちゃって,お父さん、寂しいでしょうね。
テレサ そう。たまに手紙出したりね。テレサのレコードも送ってるけど、お父さんぜんぜん意味わからないって。(笑)
八幡 日本へはどんなキッカケで来たんですか。
テレサ 私ね、東南アジアに全部行ったでも日本にまだ来てないね。日本のいろんな事聞いて日本に行きたいって思ったの。歌の勉強もしたいし。それで日本のレコード会社の人と香港で会った時相談したの。わかった? 私の日本語(笑)
金子 わかります(笑)
川村 日本に来るのが夢だったわけですか?
テレサ そう。小さい頃映画見て日本に行きたいと思った。
川村 日本に来て、夢と比べてどうですか?
テレサ ちょっと違う。小さい時映画見たらみんな着物でしょ(笑) 日本に来てみたらみんな洋服着てるもの。
八幡 テレサが日本に来ちゃって台湾のファンの人は寂しいだろうな。
テレサ そう(笑)向こうに帰った時にレコーディングしてレコード出すだけね。私、日本に来てファンの人とこうして話すの初めて。台湾でばファン・クラブの人と一緒によく話した事があるけれど。
川村 向こうではどんな曲を歌ってるんですか。
テレサ 何でも。ポップス、フォーク・ソング、歌謡曲もいろいろ。(台湾は日本のように、演歌歌手は演歌だけ、ポップスはポップスだけ。というように分かれていなくて、何でも歌うのだそうです。)
金子 台湾では日本の曲も歌ってたんですか。
テレサ そう。『港町ブルース』はLPにも入ってます。あと『長崎は今日も雨だった』、『東京ブルース』とか、北京語ですけど。
八幡 演歌は好きですか?
テレサ うん、演歌大好き。
『港町ブルース』台湾で歌っていました。
金子 演歌にはコブシがあるでしょ。むずかしくない?
テレサ 私の自然な声がそうね、だから問題ないよ(笑)
川村 演歌の心わかりますか?
テレサ わかります。
金子 デビューした頃ミニスカートだったでしょう。もう足は見せないんですか?
テレサ もう見せたでしょ。だからいいです(笑)
八幡 でも、カッコイイ足ですね(笑) 何かスポーツをやってたんですか?
テレサ バドミントンね。
川村 カッコイイですね。うまいんですか?
テレサ スタイルはカッコイイイ(笑) でも子供の頃からやってるけど、あまりうまくない(笑) あと水泳がすこし
金子 海で泳ぐんですか?
テレサ プールで。海はちょっとこわいからねェ。
金子 くらげなんか向こうにもいるんですか?
テレサ いるよ。まだ会った事ないけど(笑) それに私、水泳もあまり上手じゃないね。
八幡 スキーは日本で初めてやったんですか?
テレサ そう、この前やりました。
川村 どうですか? 滑れますか?
テレサ 滑れます。でもね、止まらない(笑) 倒れて止まるの(笑)先生も優しくない。誰も助けてくれない。自分で立ってやるの。厳しいね(笑)
金子 ホントッ厳しいですね(笑)台湾は雪は降らないんですか?
テレサ 山の高い方だけ。だから日本で初めて見た。きれいで好きね。でも寒いのちょっと嫌。暖かい方がいい。
*以降の記述は分かりません。
1976年10月号
たまたま同じページに、テレサ・テンの海外でのコンサートでのコンダクターとピアニストを務めた渡辺茂樹への質問・回答が掲載されています。



テレサ・テン
■近況■テレサ演歌の決定盤『夜のフェリーボート』にはりきっている。来日して3年目。東京原宿のマンションに母と二人暮しも慣れた。余暇に映画見物、買物を楽しんでいる。最近、見たのは「午後の曳航」。テレビドラマも好きで、TBS「青春の門」はよく見ていたそうだ。中村敦夫ファンになったとか。自転車が欲しいけど「危い!」と母が許してくれないと残念そう。11月にビザの書替で台湾に帰国する。
〔質問〕
- 好きなスポーツは何ですか?
- 仲の良いタレントさんは誰ですか?
- 今、凝っているものは何ですか?
- チャイニーズ・ドレスは何着位持っていますか?
- 今、一番やってみたいことは何ですか?
- 今、一番欲しいものは何ですか?
- ファンに対して一言!
〔質問者〕福岡県・大石健二さん、三重県・鈴木良一さん
①すきなスポーツはテニスです。
②アン・ルイスさんです。
③刺繍です。
④十着(黒三着 白二着 紺二着 花柄一着 ●一着)
⑤友達とヨーロッパへいきたい。
⑥自転車
⑦また11月にビザの書替で日本をはなれますけど 私を忘れないで応援して下さいネ。
Teresa Ing
テレサ・テン
鄧麗君
(ページ下部欄外)
◆テレサ・テンは日本字がニガテで「下手な字でごめんなさい!」とのこと。尚、④の(黒三着……)などは、チャイニーズ・ドレスの色柄と着数です。
1976年12月号



趣味 <第8回>
テレサ・テン <刺繡>
日本に来て三年余り。買物に行っても不便を感じなくなったほど、すっかり日本語も上連したテレサ・テン。
彼女は、女性らしい、物静かな雰囲気と暖かい優しさを求めての刺繍に凝っている。
やり始めたのは中学校時代というから今から10年程前。初めて刺したのが簡単なクロス ・ステッチで、テーブル・クロスを数枚作り、それは今でも台湾の自宅でテーブルにかけられ、大切に使われている。また、スポーツ好きでもある彼女は、チェスを始めたいそうで、それまでに絶対に完成させようと、 今、花柄模様で色彩の美しいラケット・カバーを、ひと針ひと針、丁寧に糸を引いている。
「本当は暖炉のある部屋で、ゆり椅子に座り、かたわらに快い紅茶の香りが漂う中でしたいの」と若い女性らしいロマンチックなシーンを胸にうかべているが、残念なことに故郷の台湾は一年中暖かいので、この雰囲気は味わえず、余計憧れるのだろう。
他にやりたいものとして、茶道・華道をあげる。茶道の居ずまいを正す姿と、作法の中からは生活に役立つリズムを身に付けたいそうだ。華道についても「花がとっても好きだし、生ける心が現れるので、是非身につけたいわ」と語るが、生活環境の違いのためか、正座が出来ない彼女は「まず、きちんと座ることから始めなければ……」と笑う。それと、どうせやるなら、基本から先生についてみっちりやりたいということだが、時間的な都合がなかなかつかず、実行に移しにくいとこぼす。
「でも、きっとマスターしてみせるわ」と眼を輝かせた。
また、日本古来の武道(空手・柔道)にも興味があるそうで「一人でどこに買物へ行っても恐くないし、なんとなく強くなったみたいに感じるでしょう。女性の護身用です」
そんな彼女は今、ビザの書替えのために台湾に帰っている。再来日は、1月20日予定。
写真キャプション
テニスのラケット・カバーに花模様の刺繍を
1977年9月号



今月の顔<17>
テレサ・テン
言葉を超えた〝心〟の歌を!
撮影/本田昌之 題字/小柳ルミ子
鄧麗筠……芸名・鄧麗君。15歳でデビュー。香港を中心に、台北、シンガポールなど東南アジアで活躍。その人気は、想像を絶するものがある。日本での芸名・テレサ・テン。
8月10日、3週間余りの〝鄧麗君〟としての活躍を終え再来日したテレサを、
TBS「ドリフターズ全員集合」の会場に訪ねた。「香港、シンガポールを中心にショーをやってきました。台湾では、一週間のテレビ・ワンマンショーをやったりね」
昔から〝支那美人〟といわれるように中国女性特有の美形。卵形の顔にニキビ
がチラホラ。
「顔は、まあまあ好好きね。でも、鼻は嫌い ニキビは、いくら薬を使っても治らないから諦めたの」といい、性格を「おとうさん似で気が強い方」と分析。
台湾の美容院で、注文通りの髪型にならずイライラしたことがあったそうで、
意外に気は短いよう。
来日早々のインタビューとあって「心はまだ台湾にあるのね。気持ちを入れかえるのが大変で…」といい、「半年に一回しか帰れない(ビザの書き換えで)こともあるけど、それに、日本では仕事と遊びの区別がむずかしいのよね」
だからというわけか、仕事を終えたその足で食事やショッピングに出歩くこと
を好まない。
歌を、仕事を「自分の命の一部」というぐらい厳しい彼女だがフッと「恋もし
たい。ショッピングの時、男の人にネクタイを買ってやるのなんていいね。女の
コは強すぎてはよくないよね」と22才の女性の姿も見せる。
「私ね。外国で自分の国のドレス(チャイナ・ドレス)を着てステージに立てる
ことを誇りに思ってる」という彼女の歌を聴いて、日本人が忘れかけている郷愁
を感じるというフアンは多い。
「言葉は通じなくても、歌は〝心と心〟という彼女。今、最新曲『あなたと生き
る』でその〝心〟を聴かせてくれる。
(写真キャプション)
■本名 鄧麗筠 一九五五年一月二九日生れ 台湾出身 趣味/読書
注・誕生日を「一九五五年一月二九日生れ」としているが、正しくは「1953年1月29日」。日本デビュー時には、19歳(正しくは21歳)とアナウンスされていました。
1977年10月号




★調べます! 測ります! メジャーマンの
スター ボディー・チェック
第7回
テレサテン
髪…以前は東京・白金の「ブラック・ベイビー」でカットしてましたが、今は髪を伸ばそうと思って自分でシャンプーしています。美容院には行きません。
*頭まわり…54cm
*顔の長さ…18cm
*顔の幅…14.5cm
*ホクロ…顔にたくさんあります。
鼻の左下、眉、頬など。
*肩幅…36cm
*身長…165cm
*体重…48kg
*血液型…O型
*1ヶ月のおこずかい…きまっていないですね。化粧品とか、果物とか本を買うことが多いです。
*ヒップ…89cm
*好きな男性のタイプ…たくましくて、スポーツ・マンタイプ。そう加山雄三さんのような人。
*頭に小さい時にころんで10針位縫った手術のあとがあります。
*視力…左右とも1.2位かな? あまりはっきりわかりません。
*虫歯…ぜんぜんなし。白くて丈夫です。
*首まわり…29.5cm
*バスト82cm
*洋服やアクセサリーは香港に行った時にまとめて買うのです。東京より、安いし種類もたくさんあって、私には買いやすいのです。
*手首の太さ…13cm
*ウェスト62cm
*手のひらの大きさ18cm
*一日の食事…3回です。
*好きな食べ物… しゃぶしゃぶ、松茸、そしておさしみのトロが好き。
*嫌いな食べ物…うなぎ、こんにゃくはダメ。
*睡眠時間…平均7時間。
寝るときはパジャマです。
*お風呂は朝シャワーを浴びて、夜仕事がおわって家でシャワー。たまに30~40分位湯舟につかります。
*股下…80cm
*足首の太さ…20.5cm
*足の大きさ…23.5cm
*運動神経…いいほうだと思う。走るの駄目だけど、最後まで頑張ます。
本名/鄧麗筠(テン・リーチェン)
生年月日/昭和30年1月29日
出身地/台湾 国籍/中国
趣味/テニス・月に1回位、アメリカンクラブに通っています。
初恋/小学校3年の時、教育実習生の先生に。
自分の長所/やさしい、親切なところじゃないかしら。
自分の短所/あきっぽい(例えば刺しゅうをしたいと思って買ってきても2日位であきちゃったり……)
愛読書/中国の小説です。
大切にしているもの/家族
現在の住所/東京都渋谷区
マンションで洋室。ベッドルームが2つとリビング・ルームの3部屋です。
これからの抱負/曲を大ヒットさせたい。そして、コンサートも少しずつ増やしていきたい。
1978年2月号





ファン・インタビュー
<第一一三回>
テレサ・テン
歌の心はどこの国でも変わらないョ!!
来日五年目。日本人の情感にすっかり根をおろした歌唱が人気のテレサ・テン。今年は元旦から日劇の「ドリフターズショー」に出演し人気を呼んだ。千秋楽2日後、西銀座「メイツ」出演前の彼女にインタビューしてみた。
「メイツ」に近い喫茶店「サンバード」。待ちうけるファンの川井さん御夫妻と大学生の大熊君はやや緊張気味。そんな中を寒さには弱いテレサが毛皮のコートを着て現れた。簡単な自己紹介のあと質問はさっそく開始された。
☆
川井(一) 暑い台湾で育ったテレサにとって、今日みたいな寒い日はどうで すか。
テレサ やっぱり弱いですね。寒いのあまり好きじゃない。だから日本でも沖縄が一番好きね。暖かくて……。
大熊 沖縄が好きなら泳ぎはできますか
テレサ できます。でも海ではできない。つかまるところないし、あぶないです よ。海、まわり何もないからこわいね。
大熊 スポーツは他に何が好きです?
テレサ テニスとか卓球とか。でもあんまりうまくないね。去年、正月番組の運動会で体力無いと思ったから、今年こそスポーツしたい。マラソンでもしたいんですよね。
川井(ひ) とても素敵なプロポーションだけど、食事は制限なさっているの。
テレサ 別にね、全然かまわないんですよ。私なんでも食べるの。お腹いっぱいいになったの時は、あっいけないと思うけど、また食べちゃう。
川井(ひ) お料理もなさるんですか。
テレサ たまにしかしないですね。全部お母さんにまかせちゃうから。それからウチの台所小さいですよ。2人いると混むんですよ。お母さん太ってるでしょ。だから。
川井(一) やっぱり中華料理?
テレサ そうね。ウチのお母さん料理う まいからね。外で食べる時は日本料理 ね。茶碗蒸しとか焼き魚ね。外の中華 料理まずいね(笑い)
川井(一) やっぱり日本人の好みに合 わせて作ってるんでしょうね。私も戦争中、中国にいたけれど塩味なのね。

テレサ へーッ。どこにいたの。
川井(一) 山東省に四年程ね。
テレサ ウチのお母さん山東省出身よ。中国語しゃべれる?
川井(一) もう忘れちゃったね。
大熊 テレサはだいぶ日本語うまくなりたけど、どんな風におぼえました?
テレサ 私はみなさんの話をよく聞いていたね。それでおぼえた。それから車で外走っている時、看板のひらがな、カタカナを勉強したの。漢字は読みかた違うけど意味わかるから。
川井(ひ) 日本の文化は中国から来たものだしね。親戚のようなものですね。
大熊 だから、テレサが日本の演歌を歌っても異和感がないのかな。歌詞のひとつひとつの意味はわかりますか。
テレサ わからない言葉もあるけど、全体的に意味をつかもうとする。いい歌はフィーリングでわかるね。
川井(一) 歌心はひとつということだ。
川井(ひ) その心を勉強するために日本に来ているんだっていっていたんですよね、いつか。
大熊 台湾では男性4人の兄弟の中で育った女性でしょ。台湾の男性と、日本の男性比べてどうですか。
テレサ なんかこう、日本の男性すごくエバってるね。(笑い)
大熊 台湾の人はもっとやさしい?
テレサ やさしいっていうか。例えば男性の方から話しかけて来るでしょ。こっちは、女の子から話しかけても返事
—————————–
したくなさそうな、エバっている感じね。うまくいえないけれど。
大熊 このまえラジオで聞いていたんですけれど、テレサの理想の男性はいろいろ注文が多いみたいですね。本当はどうなんですか?(かなり真剣)
テレサ 本当はね、そうねえあまり注文ないですよ。どんな人がいいかなあ。
大熊 それじゃ、まず、結婚するなら台湾の人、日本の人?。
結婚する相手は日本人?それとも?!
テレサ 私はねえ、日本人より台湾の人のがいいのかな。やさしい人は日本にもたくさんいるけど、お互いに習慣違うし。
川井(ひ) 結婚して日本に住むわけじゃないしねえ。
テレサ 日本には住みたいと思ってますよ。日本いい国だから。でも言葉通じないですしね。もし日本人と結婚したら旦那さんに悪いね。あまりいい奥さんになれないから。
川井(一) そんなことないでしょう。
テレサ あのね、日本の女性に負けるんですよ。日本の女性やさしいから。日本でのレベルは男性ちょっと高いでしょ。むこう同じだよ。
大熊 そのへんはアメリカっぽいですね
テレサ そうね。ほんと。
川井(一) 中国の山東省にいた頃、見たんだけど、夫婦ゲンカをして旦那さんが多分暴力をふるったらしいんだね。そしたら近所の男性が集まって来て、みんなでその旦那さんの両手を背中に押さえつけて動けなくしちゃうんですよ。すると奥さんがしゃべりたいことをみんなの前でいうわけだ。ウチの旦那は酒飲みでロクに働かないとか大きな声でどなるのね。旦那はくやしがるけれど、ますます強く押さえつけられてね。しまいには参ったというわけ。そうすると仲良く二人で家にもどるんだよね。男性がみんなで弱い女性をかばおうという気持があるのね。
大熊 日本ではちょっと考えられませんね。テレサの初恋はいつごろだったんですか。
テレサ 初恋はね、16の時かな。
大熊 じゃ台湾でデビューしてからのことですね(台湾でのデビューは15才)
テレサ そう。その前はね、あれ初恋かな……片想いだったけど。
川井(ひ) 片想いは初恋よ。
テレサ あっそうか。じゃもっと前かな……(笑い)
川井(一) テレサはいつもお父さんのことはあまりいわないで、お母さん、お母さんっていっているけど、お父さんはどんな人なの。
テレサ お父さん、すごくこわいですよね。心やさしだけど、外見ると(外見は)こわいね。顔もすごいこわいの顔してるの。心から愛しているけど。
川井(ひ) テレサとお母さんで日本にいて、お父さん御不自由なさらないのかしら。
テレサ ちょっとうるさいですね。早く帰って来いっていわれる。
川井(ひ) でもこんなに歌のうまいテレサの御両親だから、家庭環境も音楽には理解があったわけですか。
テレサ お父さんね、京劇(中国の古典歌劇)できるんですよ。お母さんも歌好きですね。
川井(ひ) お父さん、お母さんが年とられたら、どんな親孝行なさいます?
テレサ いわれたとおり、何でもいうこと聞いてあげて、休みだったらどこか出かけるとか、おみやげ買ってくるとかね。日本はどうかわからないけれど、中国は両親を敬うっていう気持ち
—————————–
は大切にしますね。
川井(ひ) そうね。中国は親孝行ということ大事にしますね。日本も同じですよ。
テレサ そう、よかったですね(笑い)
川井(一) 私のところは子供も孫もみんな男だから、テレサを娘みたいに思ってるんですよ。
大学祭に出てハンサムな学生にもてたい
テレサ どうもありがとうございます。
川井(一) 私はデビューの頃からのファンで、去年のヤクルトホールのコンサート(4月22日)でファンクラブに入ったんですよ。
大熊 僕は日本大学の経済学部の学生なんですけれど、去年大学祭のショーにテレサが出演したでしょ。あれで本格的なファンになったんです。デビューの頃から好きだったけど。

テレサ あっ、そう。日大楽しかったよ。本当に面白かった。今まで、クラブやキャバレーの仕事が多かったから本当に楽しかった。初めて。学生面白いんですよ。いろいろ質問来るんだけれど「パンツはいてるか?」だって。(笑い) ねっ?(大熊君素直にうなづく)
大熊 でも僕じゃないですよ。聞いたの。(笑い)
テレサ でも私、学生さんと相性ピッタリだと思ってる。同じ年代だし。でもむこうはそう思ってないみたい。演歌っぽいとかね。だから、私の前にリリーズや五十嵐夕紀出てるの時、すっごくにぎやかですよ。みんな。名前呼んだり。私出てきたらジーン(シーンのことらしい)と静かになっちゃって(笑い)(大熊君ややあわてて)
大熊 あのね、本格派が出てきたから、歌聞きたいからね、ヤングの歌手と違 って静かになっちゃったんですよ。
テレサ ホントかなあ
大熊 やっぱりテレサも名前呼んでほしい?
テレサ ほしいよオ(爆笑)やっぱりさびしいですね。すごく。
川井(ひ) それじゃ私達みたいな年寄りのファンは有難くないのかな。
テレサ うん、そうですね(笑い) (スタッフがあわてて『有難くない』の意味を教える)
テレサ あっそうか。感違い、感違い。要するに相手は大学生でしょ。イイオトコいっぱいいるもん(笑い)
川井(一) いたの?
テレサ いたよ。いたもん(と大熊君を指差す)(笑い)

大熊 ホントかなあ(笑い)
テレサ どのへんにすわってた?(笑い)また学園祭出たいなあ。
川井(一) テレサは実力があるんだから、大学祭のようなコンサート的なものでファンを増やして欲しいですね。
大熊 6月から全国五大都市で念願のコンサートが行われるって聞いたけど?
テレサ うん、東京、大阪、名古屋、福岡、あと札幌ね。他のことはまだ決っていないの。それから今日(1月12日)から20日までLPの録音が忙しいの。1月22日から2ケ月くらい台湾に帰るけれど、それまでにシングルのレコーディングもあるし。
大熊 2ケ月というと、むこうで誕生日(1月29日)とお正月(台湾は旧正月)をすごすわけですね。
テレサ うん、あと結婚式も、なんちゃって(笑い)
川井(一) 今年の抱負は?
テレサ いい曲をレコーディングして、素晴しいワンマンショーをやってファンの人によろこんでもらうことです。
大熊 信念というか心がけていることは
テレサ いつも一生懸命、でもマイペースでやることね。
大熊 今年の具体的な目標というかターゲットとしては、なんですか。
テレサ やっぱり「紅白歌合戦」出たいね。レコード大賞もだけど、ムリムリ、10年早いね。
川井(ひ) 最後にファンの人からもらうプレゼントで一番迷惑なものは……
テレサ 人形かな。置き場所ないですよ。それより果物一番よろこびますよ。(笑い)
☆
テレサ自身の三枚目的一面に加え、まだむずかしすぎる日本語もあったりで終始、笑い声の絶えないファンインタビューだったが、そろそろメイツ出演の時刻が迫り残念ながらテレサとお別れ。
しかし、終了後3人のファンを本誌が「メイツ」に招待、満員の観客にまじりショーを充分に堪能した様子だった。
1ページ(雑誌32ページ)下部欄外
◇テレサの好きな日本料理……インタビューにあるとおり、日本に来た当時は茶碗蒸しと焼き魚(サケ)ばかり食べていたが、さらに牛肉のしゃぶしゃぶを食べてから大のしゃぶしゃぶ狂いになってしまった。とにかく台湾に帰っても「しゃぶしゃぶたべられないことだけが本当に残念ですね」というほどなのだから相当な好物なのだ。
2ページ(雑誌33ページ)下部欄外
◇テレサのギャンブル……乗馬は好きだけど競馬は全くやらない。ギャンブルらしいものといえばただひとつ、麻雀。本場仕込みでさぞ強いのかと思いきや「最近おぼえたの。全然勝てないよ。先生●いから。(お母さんに教わりながら自宅でやるとのこと)お母さんもあまりうまくないし、でも麻雀とても面白いネ」
3ページ(雑誌34ページ)下部欄外
◇テレサの一番うれしかった事……「レコード大賞新人賞もらった時。一番感激したよ」
◇テレサのヘアースタイル……「最近,自分で髪切ってるね。去年の暮れ,枝毛が多くなっちゃって少し短くしたの」
プロフィール 80項目
邓丽君纪念—何日君再来?(图)というページ中に掲載されている、プロフィール 80項目(日本語訳)

